世界保健機関 (WHO)は、慢性疾患を「長期にわたり、ゆっくりと進行する疾患」と定義し、慢性症状を「数年または数十年の長期にわたり継続的な管理を必要とする健康上の問題」としている(WHO 2002)

高血圧症

高血圧症とは

血圧とは心臓から送り出された血液によってもたらされる血管の中の圧力を指します。

血圧は血管の硬さや送り出される血液の量によって変化します。

この圧力が高い状態が続くことを高血圧といいます。

上の血圧が140以上、下の血圧が90以上で高血圧とされます。

年齢や生活習慣によって少しずつ上昇し、あまりに高くなると頭痛や肩こり、めまいやふらつきなどの症状を起こします。

高くてもしばらくは症状がないこともあるため、定期的に測定し、高くなっていないかをチェックしておくことが大切です。

放置した場合は、全身の血管が硬くなると同時に血管の中が狭くなり(=動脈硬化)、血液が十分に内臓に行き渡らなくなります。

ゆくゆくは脳、心臓、腎臓など大切な臓器のはたらきが悪くなっていってしまいます。

 

高血圧になるリスク

塩分の摂りすぎ、運動不足、肥満、日々のストレス、睡眠不足、酒やたばこなどが高血圧の原因になります。

これらを避け血圧が高くなっていくことを避けなければなりません。

 

高血圧の予防・対策・治療

上記にあげたリスクをなくすよう生活を見直す必要があります。

塩味で味を濃くするのではなく、柑橘系で風味付けしたり、辛みでアクセントをつけたりして、味付けに工夫をしましょう。

有酸素運動(ウォーキングなど)、レジスタンス運動(筋トレ)をバランスよく行い継続することで太りにくい体質を維持することも大切です。

適切な睡眠時間(6~8時間)と気分転換を行って、ストレスをためないようにすることも大切です。

生活習慣を変えてみても血圧が高い状態が続く場合には、血圧を下げるお薬が必要になります。

お薬には血管を広げて圧力を和らげるもの、塩分や水分を尿として出すことで体をめぐる体液量を減らすことで血圧を下げるものなどがあります。

並存する病気の種類によってもお薬が変わりますので、主治医とよく相談して決めていくことが大切です。

 

脂質異常症

脂質異常症とは

体の中にはいくつか種類の『油』があります。

悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロール、善玉コレステロールと言われるHDLコレステロール、内臓脂肪由来の中性脂肪など。

それ以外にもコレステロールの種類はありますが、一般的な健康診断などで計測する脂肪はこの3種類が主なものになります。

特に悪玉であるLDLコレステロールは血管に油のかたまりを作り、それを吸収する過程で炎症をおこし、傷をつけます。

手や足でも傷が治る過程で傷跡(にくげ)ができるように、血管も治る過程で痕が残ります。

これが血管の中を狭くしてしまう『動脈硬化』につながるのです。

血圧が高い人は尚のことです。

さらに油のたまったにきびのようなものが血管の壁にでき、それがつぶれると血液とふれて血栓ができます。

これにより血管が急につまってしまうと、いわゆる『脳梗塞』『心筋梗塞』を引き起こしてしまうのです。

後遺症を残す怖い病気です。

こうなるまでは何も症状がでないため、なかなか受診にはつながらないのがこの病気の恐ろしいところです。

 

脂質異常症になるリスク

日常生活においては脂肪をおおく食事からとることで数値が悪くなります。

特に動物性の脂肪(牛肉、豚肉、鶏肉などの脂身、ベーコンやソーセージなどの加工肉、バターやそれを用いた加工品、高脂肪の牛乳など)の摂りすぎが問題になります。

それ以外にも卵黄やいくら、うなぎなども食べすぎると値に影響します。

中性脂肪はお酒、内臓脂肪の増加(肥満)、炭水化物や糖類の摂りすぎで値が上がります。

 

脂質異常症の予防・対策・治療

脂質の多い食事をさけることがまず大切なことです。

一方で食事が原因で悪化する以外にも家系的に高い(もともと脂質を代謝する能力が低い)場合や、体の代謝機能が悪くなる病気がある場合(甲状腺機能低下症・ネフローゼ症候群など)でも数値が上がることがあります。

何かが原因で数値が上がる場合には原因をつきとめて、根本的な治療を行うことが優先されます。

食事内容や生活習慣の見直しでもよくならない場合には、お薬での治療が必要になります。

最近は副作用の少ないお薬がでていますが、スタチン系やフィブラート系といったお薬を飲み始めると筋肉痛やだるさなどの副作用が出る方もいます。

主治医の先生とよく相談しながらお薬の選定をする必要があります。

 

糖尿病

糖尿病とは

食事を食べると糖分が腸から吸収され、血液中の糖の濃度があがります。

通常よりも濃度があがりすぎてしまう病気を糖尿病といいます。

膵臓から分泌される血糖を下げるホルモンであるインスリンという物質が適切に分泌されなくなったり、作用しにくい状態になったりすることで糖の濃度が上がってしまうのです。

糖尿病と診断されるには、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)やGA(グリコアルブミン)といった血液の中のなんらかの成分がどれくらい糖と結合しているかの割合や、一定量の糖分を摂取した後の血糖の濃度を目安に診断をします。

HbA1cで6.5%以上、GAは11~16%以上、血糖値であれば空腹時126mg/dl以上、食後2時間値で200mg/dl以上であった場合に糖尿病と診断されます。

糖尿病も血管に有害な影響を及ぼし、『動脈硬化(血管が固く狭くなってしまう)』を進行させます。

全身の血管に影響して、起こす「3大合併症」が大きな問題を引き起こします。

網膜症、腎症、神経障害です。

進行しすぎれば失明や透析、足壊疽など大きな障害を残す事態を引き起こすのです。

血糖値が高くなると喉が渇いたり、だるさがでたり、尿が頻回になります。

健康診断を毎年受けて確認しておくこと、症状に早く気が付いて対策し、治療を受けることで合併症を引き起こさないようにしていくことが大切です。

 

糖尿病になるリスク

ひとえに食べすぎ、飲みすぎが原因です。

炭水化物(米・パン・麺)、各種スイーツ、果物、清涼飲料水など糖分を多く含む食べ物は、すべからく血液中の糖の濃度をあげてしまいます。

健常な人であれば適切にインスリン(血糖降下ホルモン)が分泌され血糖値を正常範囲に保ちますが、ずっと高い血糖値にさらされると膵臓が疲れてしまい、インスリンを分泌できなくなってしまいます。

これにより血糖値がさらに上がってしまう状態が良くないのです。

また運動不足も血糖をあげる原因になります。

運動は筋肉への血流を増やし、細胞の中へ血糖が取り込まれていきます。

つまり運動不足は血糖があがるリスクとなるのです。

これら生活習慣以外にも内科の病気が併発することで血糖値が上がることがあります。

これについても原因を調べることが大切です。

 

糖尿病の予防・対策・治療

食事・運動療法が基本になります。

適切なエネルギー量に食事量を抑え、運動を行っても尚血糖値が上がってしまう時にはお薬での治療が必要になります。

食事療法はもっとも大切な糖尿病治療の軸になるものです。

極端な食事療法、ダイエットは続かないことが多いだけではなく、リバウンドしやすいものです。

主治医の先生や栄養士さんから、どうしらたら根気強く続けていけるかよく相談することが必要です。

よく糖尿病の食事療法は『短距離走ではなく長距離走。ペース配分をよく考えて』と表現されます。

無理なく、楽しく食事をしながら治療が続けられることがベストといえます。

お薬での治療についてもここ数年で開発がすすみ、膵臓になるべく負担をかけないものがたくさんあります。

インスリンの注射は膵臓の機能が失われてしまった場合の治療になりますが、できるだけ早くに対策をとり、膵臓の機能を温存しながら治療していくのが今の主流となっています。

人生に大きな爪痕を残してしまう病気ですので、できるだけ早くに見つけ、対応したい病気の一つです。

 

高尿酸血症

高尿酸血症とは

文字通り血液中の尿酸の濃度が上がってしまった状態です。

血液中の尿酸値が上がると『痛風』といって関節に尿酸の血症が作られ、それにより炎症を起こし、激痛をともなう関節炎を起こしてしまいます。

さらに尿の中に尿酸が多く排泄されてしまうため、尿酸『結石』という石が腎臓や尿管に作られてしまいます。

腎臓にあるうちはまだしも、これが3~4mmの尿管に詰まってしまうと強い痛みを伴う「疝痛発作」というものを起こします。

どちらの状態も患者さんにとってはとても辛い症状で、苦しみながら外来に来られます。

尿酸が高い状態で放置された場合には腎臓の機能まで悪化させてしまいます。

ひどい人は透析になってしまうこともあるのです。

 

高尿酸血症のリスク

良く知られているのはアルコールです。

よくビールはプリン体が多いなどと言われますが、アルコールの摂取自体が体の細胞からの尿酸が増やしたり、排泄を抑えたりしてしまいます。

またプリン体を多く含むレバーや魚卵、あん肝、油の多い肉などお酒のあてとしてよく出される食事も尿酸の値を上げる原因となります。

 

高尿酸血症の予防・対策・治療

適正量の飲酒にとどめることが必要です。

1日の目安量としては、日本酒1合、ビール500mL、ウイスキーダブル1杯(60mL)までとして、週に2日以上を禁酒日とします。

プリン体はうまみの強い食品に多く含まれています。

『ぜいたく病』ともいわれる所以です。

また水分量が不足すると数値が上がりやすくなります。

普段は尿の中に排泄されることの多い尿酸ですが、水分量が少なくなり、尿がたくさん作られない状況になると血中の濃度が上がりやすくなります。

この点でもともと腎臓の機能が低下している人も数値が上がりやすくなります。

普段から水分を良くとって尿をたくさん出しておくことも大切です。

お薬での治療には体内で尿酸が作られるのを抑えるもの、尿からの排泄を促すものなどがあります。

各患者さんの病態によって使い分けもあるため、よく主治医の先生と相談して選びましょう。

 

気管支喘息

気管支喘息とは

空気中の粉塵などに反応して気道に慢性的なアレルギーによる炎症を起こす病気です。

炎症が続くことで肺の中の空気の通り道である気管支(特に細い部分)が狭くなり、痙攣をおこします。

これにより吸い込まれた空気が吐き出しくなって苦しくなったり、咳が止まらなくなったりします。

呼吸の音が『ヒューヒュー、ゼーゼー』と音を立てるようになり、肺からの酸素の取り込みも悪くなります。

酸素の数値が下がれば、呼吸が苦しくなり、動くとさらに症状が強くなります。

子どもの頃に発症した場合には、大人になって症状が軽くなることもありますが、大人になって発症すると長く付き合っていかなくてはいけない病気になります。

 

気管支喘息のリスク

子どもの頃はアレルギー素因といって体質的な問題で発症することがあり、これは成人になっても素因として残る方がいます。

そこに室内ほこり、ダニ、花粉、カビ、ペットのふけや毛、喫煙、大気汚染、薬剤(解熱鎮痛剤やある種の降圧剤など)などが加わることでは症状が悪化したり、新たに発症したりします。

太っている方も喘息を悪化させるとされています。

また遺伝的に発症する場合もあります。

 

気管支喘息の予防・対策・治療

よくあるものとしては喫煙(受動喫煙を含む)、肥満、ハウスダスト・ダニなどが増悪の原因となるため、禁煙(同居者含め)、減量、部屋の清掃が大切です。毛のあるペットを飼育している方はなかなか原因から逃れることができないため、できるだけ距離をおくか、ふけの管理をしたり掃除をまめにしたりといった対応が必要です。

お薬は2種類の吸入薬として毎日吸って状態を保つためのもの(コントローラーといいます)、急に苦しくなったときのためのもの(レリーバーといいます)があります。

適切な量を適切な回数吸う必要があるので、発作の回数や症状の強さに合わせて用量を調整する必要があります。

それ以外にも吸入治療を補助する形での飲み薬なども複数あります。

 

慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患とは

肺の中の空気の通り道である“気管支“という部位や、酸素や二酸化炭素を交換する”肺胞“という部位が炎症で破壊されたことにより肺の機能が悪くなる病気です。

COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とも呼ばれます。

肺の機能が悪くなると動いたときに息苦しくなったり、気道の炎症が長く続くことで咳や痰が出やすい状態になったります。

ひどくなると、在宅酸素といって自宅に酸素吸入のための機械を設置し、いつも酸素をすっていないといけないという状態になることもあります。

またタバコに関連した病気のため肺癌にもなりやすいです。

 

慢性閉塞性肺疾患のリスク

タバコの煙などの有害物質に長期間暴露されることにより炎症が起こります。

長期間の喫煙がリスクとなり進行を抑えるためには禁煙が絶対です。

ウィルスや細菌感染に弱くなり肺炎を起こしやすくなります。

普段は落ち着いていても感染などを起こすと“急性増悪”といって、急に呼吸困難が強くなることもあります。

 

慢性閉塞性肺疾患の予防・対策・治療

まずは禁煙です。

感染にも弱くなるのでワクチンの接種や外出後の手洗い、うがい、感染者と距離をおくなどの対応が必要です。

お薬での治療には、咳や痰の症状を軽くするための飲み薬や吸入薬があります。

一度壊れてしまった肺の組織は元には戻らないため、何も症状がなかった時の状態にまでは戻らないことが多いです。

酸素の数値が下がるまで肺の機能が悪くなってしまった場合には、前述の在宅酸素療法を始めます。

外出するときも酸素ボンベを引っ張りながらになるため、不便になります。

タバコは健康面で考えれば“百害あって一利なし”です。

 

慢性腎不全

慢性腎不全とは

腎臓は、①体液量の調整 ②体に必要な電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リンなど)の濃度や血液の酸・アルカリの調整 ②不要物の排泄 ②必要なものの再吸収等を行う臓器です。

また造血ホルモンを産生する場所でもあります。

この腎臓の機能が悪化することにより様々な体調の変化が生じます。

むくみや電解質の数値の異常からくる不整脈、吐き気や食欲の低下などです。

造血もうまくできなくなり、貧血が進んでいきます。

これらの症状が薬でもよくならないようになると、人工透析が必要になります。

 

慢性腎不全のリスク

腎臓の働きが悪くなる理由として一般的に注意しなくてはいけないことは生活習慣病の管理になります。

主に高血圧、糖尿病、高尿酸血症がリスクになりますが、治療を受けずに放置していたり、管理の悪い状態が続いたりしていると腎臓がだんだんと痛んでしまいます。

一時的な腎臓の機能の悪化には、水分不足や薬が影響することがあります。

お薬の処方を受けるときには、診てもらう先生に自分の腎臓の状態を伝えましょう。

 

慢性腎不全の予防・対策・治療

進行や悪化を予防するためには生活習慣病をきちんと管理してもらうことが大切です。

働きが悪くなってしまうため、塩分(ナトリウム)の摂りすぎや水分の摂りすぎはむくみにつながります。

また生の果物(缶詰は除く)や生野菜などはカリウムが多く含まれるため、摂りすぎると不整脈の原因になり危険です。

肉や魚、豆類などのたんぱく質も腎臓に負担がかかります。

偏った食事は避けるようにしましょう。

一度悪くなった腎臓の機能は元には戻りません。

日々の食生活に気をつけ、生活習慣病の管理を良好に維持することで機能を保っていくことが大切です。

それでも進行してしまい、腎臓が機能しなくなってしまった場合には「人工透析」といって、体の中の水分、塩分、電解質、酸塩基バランスを維持するための治療が生きていくために必要になります。

 

慢性心不全

慢性心不全とは

何らかの理由によって心臓のポンプ機能が低下し、心臓からうまく血液を送り出せなくなってしまう状態のことです。

心筋梗塞や心筋症(もともとの心臓の形や機能が正常ではない病気)、弁膜症、薬剤によるものなどが原因となります。

からだの血流がうまく回せなくなるため、心臓に戻ってくる血液が滞ってしまうため、色々な内臓に血液がうっ滞します。

足のむくみや肺は肝臓、腸のむくみをおこし、呼吸が苦しくなったり、お腹が張ったり、下痢をしたりします。

また心臓からの血液の送り出しがうまくできなくなるため、酸素を含んだ血液が全身に行き渡らなくなります。

これに伴い臓器障害がすすみ、エネルギーの産生が滞ることで疲れやすく、体力も低下していきます。

 

慢性心不全のリスク

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病により動脈硬化が進むと、心臓を栄養している血管も狭くなったり詰まったりしてしまいます。

血流が滞った心臓は機能が低下し、次第にポンプ機能を十分に果たせなくなります。

さらに心臓内の弁にも動脈硬化が進めば、心臓の内部で血流の異常を起こして心臓に負担がかかります。

もともとの体質や生まれつきももので心臓の機能が正常でない場合もありますが、ここに塩分の摂りすぎや無理な身体への負荷が加わることで心不全を発症することがあります。

 

慢性心不全の予防・対策・治療

生活習慣病の管理をしっかりと行うことが何よりも大切です。

塩分の摂りすぎや高い血圧は、心臓にとって負荷になるためなるべく避けなければなりません。

理想的には塩分は1日6g以下、血圧は心臓の機能にもよりますが、140未満に管理しておくことが大切です。

むくみや息切れの症状が気になったら、かかりつけに受診をして胸のX線や心電図、血液検査などを受けて心臓が原因かどうかを調べてもらいましょう。

原因によっては病院での専門的な検査や治療を必要とします。

心臓の負荷をとり、機能を維持するためのお薬を使用して、できる限り苦しさが出ない状態で日常生活を送れるように調整します。

 

肝硬変

肝硬変とは

何らかの原因で肝臓に炎症が加わりダメージが蓄積していくと、肝臓が線維化をおこします。

これにより肝臓の機能が低下してしまった状態になります。

肝硬変の状態にまでなってしまうと、お腹に水がたまってしまう、食道や胃に静脈瘤(血管のこぶ)ができるといった体の変化がでてきます。

腹水はたまりすぎれば苦しくなりますし、静脈瘤は破裂すると大出血にいたります。

肝臓の機能の低下は血液中のアンモニア濃度も上昇させます。

アンモニア値が上がると意識が悪くなったり、行動に異常を起こしたりする「肝性脳症」という状態になります。

またビリルビンという肝臓で産生される物質が血液中に増え、皮膚が黄色くなる黄疸という状態にもなり、体のかゆみなどの症状を引き起こします。

 

肝硬変のリスク

お酒の飲みすぎ、太りすぎ、脂肪分の摂りすぎなどが肝臓に負担をかける原因になります。

日常的なもののリスク以外には、肝炎ウィルス、自己免疫性(自分の免疫が自分の肝臓を標的に攻撃してしまう状態)、薬剤性などがあります。

 

肝硬変の予防・対策・治療

原因となるものを避けることがまず第一になります。

アルコール量としては、純アルコール量として1日20g(ビールなら500ml1本、日本酒なら1合180ml、ウィスキーダブル1杯60ml、焼酎グラス半分100ml、ワイン2杯弱200ml、チューハイ缶1本350ml)程度が適量とされています。

脂質の摂りすぎや肥満によって肝臓に脂肪が蓄積すると「脂肪肝」という状態になります。

こちらも放置すると肝硬変に進んでいってしまいますので、脂っこいもの、特に動物性の脂肪分を控えることが大切です。

てんぷらやあげもの、卵類(卵の黄身)、内臓類(レバー)なども摂りすぎはよくありません。

定期的な健康診断を受けて、肝臓の数値を調べてもらっておくとよいでしょう。

数値に異常があれば、原因が何かを振り返り、日常生活で改善できることがあれば直していきましょう。

一度肝硬変になってしまうと、元に戻るのは難しいです。

静脈瘤を破裂しないようにする処置や黄疸のかゆみ対する薬、脳症の予防のためのお薬等はありますが、あくまで対症療法となってしまいます。

何よりも大切なのは、肝硬変になるまで肝臓へのダメージを放っておかないことです。

 

脳血管疾患

脳血管疾患とは

代表的なものに脳梗塞、脳出血があります。

いずれも多くの場合、生活習慣病の延長上にある病気です。

一度発症すると、脳の障害を受けた場所に一致した麻痺症状や感覚障害(しびれや過敏)、けいれん、認知機能の低下などの後遺症を残し、障害として残りの余生に大きく影響を与えます。

重い後遺症を残すと介護が必要な状態になるため、一緒に生活されるご家族への負担も大きくなります。

麻痺状態はリハビリをせずに時間が長く経つと、次第に関節が固まっていき、拘縮という状態になります。

介護の面からも着替えさせたり、オムツを替えたりするのが大変になります。

 

脳血管疾患のリスク

高血圧、糖尿病、脂質異常症といった動脈硬化の原因となるような生活習慣病がリスクになります。

それ以外にも喫煙や飲酒も大きなリスクになるため、控えなければなりません。

また心房細動という心臓内の一部に血の流れの淀みを引き起こす不整脈があります。

これによって心臓内にできた血の塊が脳に飛んでいくことで起きる「脳梗塞」もあります。

 

脳血管疾患の予防・対策・治療

適切な生活習慣病の管理が大切です。

動脈硬化の進行を予防するために必要な管理基準が定められています。

自分なりの解釈で甘い管理を継続していると、いつの間にか危険な状態になっていることがあります。

かかりつけの内科で十分な指導や投薬をうけて普段から管理しておくことが重要です。

一度発症した後は再発を予防するために、血液が血管内で固まる際に機能する血小板という血液成分の機能を抑えておくお薬を内服してもらいます。

先に述べた心房細動に伴うものについては血液の凝固を抑えるためのお薬を内服し再発予防をしたり、心房細動そのものをカテーテルなどで治療したりすることもあります。

痙攣や拘縮などの後遺症にはけいれんを抑えるお薬、筋肉の緊張をほぐすお薬を処方します。

手足が動かなくなる以外にも飲み込みができなくなる、自分で排泄できなくなるなどの問題が起こる場合があります。

栄養をどう取るのか、排泄をどう確保するかについて管から栄養を摂る、尿を出すための管を留置するなどの処置が生きていくために必要になることもあります。

 

悪性新生物

悪性新生物とは

いわゆる“がん”のことです。

日本も長寿化しており、がんの患者さんはどんどん増えています。

どの場所にがんができるかによって、生じうる症状は様々ですが、一般的に言われる“がんによる痛み”というものについては、一般的な鎮痛剤をはじめ医療用の麻薬や放射線療法などによって緩和することができます。

緩和医療は、抗がん剤を使用しながら同時並行で行っていくものであり、緩和医療になったからと言って、治療ができなくなったというものではありません。

がんとの闘病生活は決して楽なものではありませんが、辛い苦しいを少しでも緩和しながら、少しでも長く人生を歩んでいくことが目標になります。

 

悪性新生物のリスク

喫煙、飲酒、糖尿病、遺伝などのリスクがあります。

喫煙、過剰な飲酒はいろいろな癌のリスクになります。

糖尿病の患者さんも、通常の方より20%ほどがんになるリスクが高いと言われています。

適正な管理が求められます。

 

悪性新生物の予防・対策・治療

リスクとなるような生活習慣は正すことが必要です。

タバコはできるだけ避け、飲酒もほどほどが良いでしょう。

初期に発見されれば、手術で取り切ってしまうこともできますが、ある程度進行してしまうと抗がん剤や放射線治療など全身への治療が必要になります。

またあらかじめ抗がん剤を使って腫瘍を小さくしてから手術するという方法もあります。

この数年で、遺伝子検査を行ってがんのタイプを見極めたうえで有効な薬を選択する治療が進んできています。

 

ながた内科クリニック

診療時間とスケジュール

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クリニックについて

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