今年も猛暑の厳しい夏が続いています。
電気代の高騰から、暑くてもエアコンの使用を控えるご家庭もあるかもしれません。
暑い中で長時間を過ごすと、汗により水分が失われ、ナトリウムやカリウムといった塩分のバランスが崩れてしまいます。
体の水分が失われ、汗がかけなくなると、気化熱による体温調整ができなくなりどんどん体温があがってしまいます。これにより体の機能を維持できなくなり、重篤な臓器障害を引き起こしてしまいます。
熱中症になると体のだるさや吐き気、めまい、頭痛などの症状が表れます。
こうなる前に、適切な環境設定、水分・塩分摂取をしておくことが重要です。
●水分・塩分摂取について
普段、高血圧や心不全、腎不全などを医療機関で指摘され、水分・塩分制限を指導されている方も、たくさん汗をかいたときはいつもより多めに水分を取りましょう。
目安としてはたくさん汗をかいたときで『いつも飲んでいる水分』+1000ml程度、たくさん汗をかかない場合でも冬場や秋冬など過ごしやすいときと比べて+500ml程度は摂取することが望ましいと考えます。
一方で塩分については上記疾病のあるかたは摂取のしすぎで、むくみの悪化や心不全の悪化をきたすことがあります。
適切な摂取量については個人差もあるため、普段かかっている主治医とも相談しましょう。
●経口補水液について
水分摂取に際しては、塩分の含まれた経口補水液(商品名:OS-1)が適切です。
スポーツドリンクなどをすすんで摂取される方もいますが、実は糖分が多いわりに塩分は少ないとされています。
また緑茶やコーヒーなどカフェインを含む飲料についても、カフェイン自体に利尿効果があることから、水分が尿から排泄されてしまうことで有効な水分摂取につながらないことも考えられます。
●夏場の水分対策について
夏場は経口補水液を常備しておいて、外出し汗をたくさんかいたときには最低500mlを目安に摂取し、更に白湯やカフェインレス飲料を+500ml程度摂取するのがおすすめです。
●室温管理について
室温管理については室温が『28℃』程度になるようにエアコンを設定しましょう。
これはエアコンの設定温度ではなく、室内温度計の設定温度になります。
逆に下げすぎてしまうと、外気との差が大きくなり体に負担がかかるので注意しましょう。
年々暑くなる日本列島ですが、適切な対応で安全に夏を乗り越えましょう。