


10月4日土曜日に、多摩総合医療センターで開催された「看護フェスのパネルディスカッション」で登壇させていただきました。
●東京都立多摩総合医療センター 看護部 FES案内
https://www.tmhp.jp/tama/nursing/live_schedule.html
テーマは『ACP(アドバンスケアプランニング)』
当法人でのACP、意思決定支援への取り組みについて、10分という限られた時間ですがお話させていただきました。
「患者さんの意思決定支援」を行うにあたって、下記3点からお伝えしました。
① はじめに、患者さんとそのご家族に、病気の経過や予測される体調の変化についてよく理解してもらうこと。そのためにわかりやすく説明し情報共有を行うこと。
② 患者さんの価値観を理解し、患者さん本位の意思決定支援を行うこと
③ 意思決定は、医療者、・患者さん、・家族が協働して行っていくもの。
また、「法人での取り組み」について、具体的な手段やかかわり方について、下記5点をお話させていただきました。
① 訪問診療契約の時に、意思決定支援シートをお渡しする
② 初回介入時に、患者さんにACPについてそれとなく話をふってみる
③ 病状の変化した時に具体的に確認する
④ 継続的なかかわりの中で信頼関係を構築し、患者さんをnarrativeに捉え、理解する。
⑤ 患者さんにかかわるスタッフみんなで、患者さんの思いや方針を共有する
最後に、ACPのついての課題や、実際に行っていくことの難しさについて触れ、「完璧なACPに固執する必要はないこと」「ACPを通して患者さんや家族との信頼関係を構築していくことも大切な目的である」ということをお伝えさせていただきました。
病院の医師や看護師、地域の看護師の方々とのディスカッションパートにおいては、
・地域では病院に対してどのような対応を求めるのか?
・病院と地域ではACPにおける役割も違うのではないか?
・病院や地域で行ったACPの内容をどのように地域と共有するか?
・病院で看護師がACPに積極的にかかわるには、どのような教育が必要か?
などといった内容について議論が深められました。
病院の看護師さんからは、“ACPという言葉が独り歩きし、何か特別なものとして捉えられたり、形式的な対応で済まされてしまったりしている現状もある”というお話もありました。
こういった現状については、担当として患者さんに関心を寄せ、価値観を知ろうとすることで、自然と患者さん本位の療養に必要なことが見えてくるのではないでしょうか。
医療者として疾病管理だけに目を向けるのではなく、一人の人間として「患者さんの人生観と対峙する姿勢を、いつも忘れずに関わっていくことの大切さ」を改めて感じました。
ながた内科クリニック
副医院長・永田健一郎











