大切な人を亡くして「これを言われると本当に切ない」というやり取りがあります。
よくあるのは、「ご主人を亡くした方に、自分のご存命のご主人を卑下する会話」です。
「あなたのご主人は本当に素敵な方だったのね。私の主人なんて全っ然だめ!足元にも及ばないわ!」
「あら、うちの主人なんてもっと酷いわよ!だってこの前なんて・・・」
「あーあどうして結婚したんだろう」
と 愚痴も楽しく談笑になったりします。
(ご遺族の表情を見てみてください!!多分、笑っていないと思います。。)
大切な人を亡くして落ち込んでいる人に、良かれと思って自分を謙遜しへりくだってしまう。
もちろん悪気がなく、自分を下げて相手をあげたいという心理です。
【へりくだる】とは、相手に敬意を示すために、自分を低い所においた表現をすることです。
日本人のDNAに組み込まれた習性かもしれませんが、このケースだと『亡くなったご主人とご存命のご主人を比べること』にあまり意味がありません。
むしろご遺族は、
●「良いわよね!あなたのご主人は生きていて! こっちは言いたくても言えない」
と、いない現実を再び認識することになり、悔しさ、怒りが湧いたり、悲しくなったり、気持ちが沈んだりします。
ご遺族も日々、一番難しいとされる「現実を受け止める」ことを頑張っていらっしゃるので、「他人から現実(=死)を不意打ちで突きつけること」だけは避けたいところですね。
ではまたお会いしましょう。
訪問看護ステーションいきいき